矢切の壁材を貼り替える際に気付いた谷樋の穴の問題を解決します。谷樋に開いた穴を確認すると、穴自体は一箇所でしたが、穴が開きそうな所は何ヶ所かありました。
そして錆びて朽ちた穴は意外と大きく、もはや補修というレベルではありませんでした。恐らく、雨漏りの主な原因もこの穴だと思います。
驚いたのは支えがなく谷樋に落ちてしまう瓦は下に瓦の破片などを入れて誤魔化されていました。これじゃぁゴミが溜まって雨水の流れを堰き止めてしまいオーバーフローを起こしてしまいますよね。
今回の作業では色々と問題がありそうな谷樋を補修ではなく交換することにします。先ずは谷樋の交換後、瓦を元に戻すときに迷わないよう、剥ぐ瓦に番号を振っていきます。
瓦は割らないよう気を付けながら剥いでいきます。瓦は銅製の釘や針金で固定されていました。剥いだ瓦は番号ごとにまとめておきます。
セメント瓦を剥ごうとしましたが、最悪なことに瓦の四方をシール剤なのかパテなのか分らないもので塗り固められていました。一部は粘土のような感じで、一部は固まっていました。根気よく一枚一枚スクレーパーでシール剤でくっついた瓦を剥がしていきます。
谷樋には防水テープなどは施工されておらず、桟木に直接釘打ちされ、釘穴にはシール剤も塗られていませんでした。幸い瓦の隙間には鳥などが巣を作った痕跡はありませんでした。
谷樋周辺の瓦を剥がし終わったら一旦掃除をして状況を確認します。古い桟木は新しい桟木と交換するので撤去します。
早速、古い谷樋を撤去しようとしたんですが、谷樋の端が漆喰で塗り固められていました。これは想定外でしたが、仕方ないので漆喰を削ります。土壁も崩れて瓦が落ちてしまいました。ここは後で直すことにします。
これで古い谷樋が取り外せました。防水シートの劣化が進んでいるので張替えが必要ですね。谷樋の穴から入った雨水で野地板の一部が湿っていました。
寸法を測って防水シートを切り出します。防水シートは改質アスファルトルーフィングを使用します。
切り出した防水シートを貼り付け位置に敷き、現物合わせで調整します。防水シートを桟木の下にもぐりこませ、仮止めします。
谷樋の壁側は形が複雑なので、段ボールで型をとります。
型を取った段ボールを新しい谷樋に乗せて型を写します。
谷樋の端は雨水の逆流を堰き止める壁を作るため、壁の高さの分だけ段ボールの型に足しておきます。
金切りバサミで切り出したら逆流止めの壁を立ち上げます。
新しい谷樋を取り付け位置にあてがって位置の確認をします。
谷樋と防水シートの位置も良さそうなのでタッカーで固定します。
もう片方の谷樋を準備します。こちらは現物合わせで形を決めました。
先端が雨樋に少しかかる位置に調整。切込みを入れて先を少し曲げ、雨水が雨樋にスムーズに流れるようにしました。
谷樋を取り付ける位置に仮置きして位置の最終確認をしたら谷樋を固定するための新しい桟木を取り付けます。仮置きして最終確認、谷樋の位置も問題ないようなので固定していきます。
今回、谷樋は寸法の都合で二枚の板を継ぐので、矢切側の谷樋が上になるように重ね、雨水が逆流しても大丈夫なように重ね部分も広く取りました。谷樋を重ねた部分には念の為、防水シールを塗布しておきました。
谷樋は端材を長方形に切り、折り曲げて作った吊り子で桟に固定します。念の為、谷樋の両端に防水テープを貼り付けてオーバーフローの対策もしました。
谷樋の交換ができたので、めくった瓦を記号を確認しながら元に戻していきます。瓦はズレたりしないように桟木に釘を打って銅線で瓦を吊るすように固定します。
翌日、明るくなってから改めてズレや間違い、見落としがないか確認しました。問題ないようなので、作業のついでに瓦の切り口を整えていきます。増築した部屋の施工業者だと思うんですが、谷樋にかかる瓦の処理が滅茶苦茶なんですよね。瓦の破片を詰め物にしたり、ご覧の通り切断面もバラバラで、まるで叩き割ったかのような始末です。見えないと思って手を抜くってどうなんですかね?昔の事とはいえ困ったものです。
不揃いの瓦は雨水がスムーズに流れ、ゴミが溜まったりオーバーフローを起こしたりしないように綺麗に切りそろえました。
最後に谷樋を外すために壊した土壁を修復します。土壁を壊す際に出た土は集めて水を含ませて柔らかくしておきました。足りない分は購入しておいた土壁用の土と藁を加えてよく練っておきます。
練りムラができないように一晩おいておきました。
土を充填する前に周囲の土に充分水を含ませます。こうすることで充填する土の水分を取られたりせず馴染みやすくなり、割れや剥がれのリスクを軽減できます。用意しておいた土を壊した部分に充填します。
外れた瓦を元の位置に戻してヘラや鏝を使って整形します。必要なら支えなどをして瓦が落ちたりしないようにします。
大丈夫そうなら雨に濡れないように養生をして、このまま数日間乾いて固まるのを待ちます。
土が乾いて瓦が動かなくなったら、アクドメールを塗布します。アクドメールは1回目は希釈して、2回目は原液で塗布します。
アクドメールが乾いて固まったら漆喰を塗っていきます。今回、漆喰は塗る面積が小さいので、練り混ぜ不要で余ったら保存もできる漆喰、うま~くヌレールにしました。
漆喰を塗る前にマスカーで養生をしておきます。
1回目は漆喰を薄く塗って下地と馴染ませます。こうしないと下地の色が出てきたり割れ、剥がれの原因にもなります。作業しにくいので手で塗ってます。なにぶん素人なのでご容赦ください。
10分〜20分置いて固まったら2回目の本塗りをします。隙間がないよう、確認しながら漆喰を盛って鏝で表面を整えます。スペースもなく素人には難易度高めでした。
少し置いてからマスカーを剥がして鏝で漆喰の表面を整えます。やり残しがないか確認して大丈夫ならこのまま乾いて固まるまで数日濡れないよう養生しておきます。
あまりきれいな仕上がりでは無いですが、作業完了とします。今回も色々とあって大変でしたが、何とか仕上げることができました。知識ゼロの素人DIYなので、間違ったやり方や無駄も多いと思いますが、雨漏りしなければOKと言うことでやってます。四苦八苦しながら作業するのを生ぬるい目で見ていただけると嬉しいです。
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今回のリフォームで購入したものなど
〇消耗品
●谷板金(2本):5,280円
●谷板金送料:1,265円
●銅 瓦用釘 12×65 約60本:877円
●杉ノゴメ板 2m 15ミリ(4本):712円
●荒壁土(粉体)20kg:2,720円
●珪藻土壁用 天然わら:274円
●モラサンE 改質アスファルトルーフィング(20m):6,480円
●エプトシーラーテープG90:1,980円
●うまーくヌレール(漆喰)5kg:4,499円
●布コロナマスカー:202円
●ナフコ養生用テープ:214円
●ナフコ同針金 5m:1,782円
●ステンさらタッピングネジ 3×2(2袋):396円
合計:26,681円
□工具など
■マキタ 充電式ブロワ UB185DZ:8,800円
■マキタ 充電式グラインダーGA412D(専用ケース付き):24,000円
■マキタ グラインダー用グリップ:720円
■グラインダー用スパナ:298円
■タッカー:1,545円
■千吉 金切狭 直刃:750円
■カネカ 本焼鶴首鏝 60mm:2,288円
■WZ木柄貫通スクレーパー:780円
■バール(小):1,380円
合計:40,561円
※価格は購入時の価格となります
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